うつ病という病気が一般的になり、ニュースや新聞でも頻繁に取り上げられるようになりました。
しかし、具体的にはどのような状態がうつ病なのか、うつ病になるとどのような症状が発現するのか、ということはあまり知られていません。
そこで今回は、うつ病の基本的な内容を紹介しながら、どのような時にうつ病と診断されるのかということを解説します。
【うつ病の基本】そもそもうつ病とは?
- 気分が落ち込んでいる
- 意欲が出ない
- ボーッとする
- なぜだか憂鬱だ
- 集中力がでない
- などなど
誰しもが日常的に遭遇するであろう、これらのネガティブな感情を抑うつ気分といいます。
誰でも日常的に抑うつ気分を感じますので、抑うつ気分があることとうつ病はイコールではありません。
しかし、これらの抑うつ気分が強い状態を「抑うつ状態」とよび、その抑うつ状態が重症化したものをうつ病と診断します。
そのため、日常的に感じる気分の落ち込みだけではうつ病とは呼びません。
たとえば、月曜日や連休明けというのは、誰もが憂鬱な気分になるものです。
しかし、このような憂鬱な気分を感じながらも、大半の人は仕事や学校に行くことができます。
抑うつ傾向が強い人は、朝起きれなくなったり、体が思うように動かなくなったりするなど、身体活動に影響が出現します。
そのように、抑うつ傾向が非常に強く発現しているような状態がうつ病です。
「自分はうつ病かもしれない」と友人や家族と談笑できているような状態であれば、うつ病ではない可能性が高いです。
このように、うつ病の診断は非常に難しいため、正確にうつ病を診断するために、後に示すようなチェックリストを用いながら問診を行います。
うつ病の分類
そんなうつ病の分類について詳しく紹介します。
うつ病は大きく3種類に分けることができます。
- 外因性のうつ病
- 内因性のうつ病
- 心因性のうつ病
外因性のうつ病というのは、身体的な原因によってうつ病を発症している状態のことを指します。
アルツハイマー型認知症や脳血管障害、ステロイド剤の副作用など、外的な要因によってうつ病を発症しているケースが、外因性のうつ病です。
内因性のうつ病が一般的なうつ病です。
メンタル的なバランス異常によって抑うつ傾向が強まり、うつ病を発症している状態です。
心因性のうつ病とは、環境の変化や本来の性格によってうつ病を発症している状態です。
内因性のうつ病との鑑別が難しいのですが、環境の影響が強く、変化に過敏に反応しているような状態を心因性うつ病(反応性うつ病)といいます。
このように、うつ病発症の原因に応じて、これら3種類のうつ病に分類し、治療計画を行っていきます。
うつ病の診断基準
うつ病の診断には、簡易抑うつ症状尺度(Quick Inventory of Depressive Symptomatology:QIDS-J)とよばれる質問表が用いられます。
この質問表は16項目の評価項目から構成されており、睡眠や精神状態、食欲などの状況をスコア化することで、うつ病の重症度を客観的に測定することができます。
その他には、DSM-5とよばれる9項目の質問表(チェックリスト)があり、こちらが用いられることもあります。
以下にDSM-5のチェック項目を記載しておきます。
気になる方はご自身の状態を確認してみて下さい。
DSM-5のチェック項目
- ほとんど毎日、1日中気分が落ち込んでいる
- ほとんど毎日、1日中何に対する興味もなく、喜びを感じない
- ほとんど毎日、食欲が低下(増加)し、体重の減少(増加)が激しい
- ほとんど毎日、眠れない、もしくは寝すぎている
- ほとんど毎日、話し方や動作が鈍くなったり、イライラしたり、落ち着きがなくなったりする
- ほとんど毎日、疲れやすかったり、やる気が出なかったりする
- ほとんど毎日、自分に価値がないと感じたり、自分を責めるような気持ちになる
- ほとんど毎日、考えがまとまらず集中力が低下して、決断できない
- 自分を傷つけたり、死ぬことを考えたり、その計画を立てる
以上の9項目のうち、1.または2.を含む5つ以上の症状があり、それが2週間以上続いている場合には、うつ病と診断されます。
うつ病は総合的な治療が重要
うつ病の治療は、休養、薬物療法、精神療法(認知行動療法)、カウンセリングなど、さまざまな治療を組み合わせて行うことが基本です。
抗うつ薬を内服するだけではなく、カウンセリングなどを通して、ストレスを取り除いていきます。
瞑想や自然療法など、心を強くする治療も効果を示す場合があります。
個人によって勧められる治療方法は異なりますので、それぞれの状態に応じた治療を行うことが重要です。